
起業をしたなら法人口座を開設!法人口座開設メリット

起業して会社を作ったら、法人口座はどこの銀行で開設するのがいいんだろう?
会社を設立した後、実際にお金を動かして取引を行うためには法人名義の銀行口座が必要になってきます。
個人名義の口座を使い続けていると、、、
- 個人と会社のお金の区別がつかず、税務署への説明が大変(経理処理が大変)
- 取引先から、会社の信用力に疑念を生じさせてしまう
- ASP等、ネットで法人会員登録する際、法人口座情報入力を求められて
法人口座を作っておけば、会計システムを簡単に紐づけることもできるので、経理作業も自分で簡単にできます。

むしろ、法人口座と会計システムを紐づけていないと、決算時に地獄を見るのでは???
法人口座開設の審査は厳しい?開設までの手順おさらい
法人口座設立の流れは以下の通りです。
税務署へ「法人設立届出書」を出しに行ってからやっと着手することができます。
- 口座開設書類の取り寄せ(インターネットで取得できることが多い)
- 口座開設書類、必要添付書類の準備(法人設立届出書等)送付
- 審査待ち
- 口座開設通知受領
ここでお伝えしたいのは、「3.審査待ち」で、審査が厳しく、時間もかかること。
審査には概ね2週間程度かかる銀行がほとんど。
たった1,2つの銀行にだけ申し込んでいるだけだと、全て審査落ちしてしまう可能性も高く、改めて申し込みをすると更に2週間審査で待たされるという悪夢が待ち受けています。

審査の待機時間はもったいないので、「法人設立届出書」を入手したらなるべく多くの銀行口座の開設を申し込みましょう!
会社設立について解説した記事の「9. 銀行口座開設」でも言及してます。
審査に際しては、記事で紹介している「会社概要資料」を作り込むことも有効でしょう。
審査のハードルを少しでも下げる
銀行側としても、口座を犯罪利用されては困りますので、審査は慎重に行われています。
可能であれば以下の項目もケアできれば審査のハードルを多少なりとも下げることが出来るでしょう。
- 資本金の金額を大きくさせる
→融資を受けるわけではないのでそれ程重要性はないかも? - 登記住所がしっかりとしたオフィス
→バーチャルオフィスやシェアオフィスの場合は架空の会社と疑われることも - 事業内容が明確
→前述の会社概要書を用意したり、口座開設申込書にサービスサイトURLを紹介することでカバーできるかと思います - 連絡先がしっかりしている
→メールアドレスはしっかりドメイン取得したものを使っていたり、市外局番のついた電話番号を使うことで信用力が高まるでしょう

ちなみに私は、資本金約100万円、登記はバーチャルオフィス、電話番号は非固定電話のままでなんとか口座開設に漕ぎつけました!
比較的対応が簡単な、IP電話番号の取得やオリジナルのドメインメールアドレスは取得しました。
法人口座手数料等比較
最低限のインターネットバンキングとして、振込指示等の口座管理ができるようにするための基本料金等を調べて比較表にしてみました。
審査は年々厳しくなっているようですので、少なくとも、基本料金が無料のネット銀行は、いざという時のために全て口座開設申請しておいても不都合はないでしょう。
銀行名 | インターネットバンキング サービス名称 ※エントリータイプ | 月額基本料 | ネットバンキング振込手数料(税込) |
三菱UFJ銀行 | BizSTATION 基本サービス | 1,760円 | 同一店内:無料 同行内振込 3万円未満:110円 3万円以上:330円 他行宛振込 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
三井住友銀行 | パソコンバンク Web21<ライト> | 無料 | 同一店内:無料 同行内振込 3万円未満:無料 3万円以上:無料 他行宛振込 3万円未満:220円 3万円以上:440円 |
みずほ銀行 | みずほ ビジネスWEB | 3,300円 | 同一店内:無料 同行内振込 3万円未満:220円 3万円以上:440円 他行宛振込 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
りそな銀行 | りそなビジネス ダイレクト(Mini) | 2,200円 | 同一店内:無料 同行内振込 3万円未満:330円 3万円以上:330円 他行宛振込 3万円未満:660円 3万円以上:660円 |
新生銀行 | 新生コーポレート ダイレクト | 無料 | 同一店内:無料 同行内振込 3万円未満:無料 3万円以上:無料 他行宛振込 3万円未満:330円 3万円以上:330円 |
ゆうちょ銀行 | ゆうちょ Bizダイレクト スタンダードプラン (オンライン) | 550円 | 同行内振込 5万円未満:100円 5万円以上:100円 他行宛振込 5万円未満:220円 5万円以上:440円 |
ジャパンネット銀行 | – | 無料 | 同行内振込 3万円未満:55円 3万円以上:55円 他行宛振込 3万円未満:176円 3万円以上:275円 |
楽天銀行 | – | 無料 | 同行内振込 3万円未満:52円 3万円以上:52円 他行宛振込 3万円未満:168円 3万円以上:262円 |
住信SBIネット銀行 | – | 無料 | 同行内振込 3万円未満:50円 3万円以上:50円 他行宛振込 3万円未満:160円 3万円以上:250円 |
GMOあおぞらネット銀行 | – | 無料 | 同行内振込 3万円未満:無料 3万円以上:無料 他行宛振込 3万円未満:166円 3万円以上:261円 |

インターネット申込までは全ての銀行で実施しましたが、バーチャルオフィスを利用していた私は、結局最初はGMOあおぞらネット銀行のみ口座開設に至りました。
最初は審査で落とされても、後から実績を積んで他行の口座も開設していくスタイルです。
月額基本料が無料の法人口座を中心に、次からそれぞれの口座について説明していきます。
都市銀行での法人口座開設
都市銀行(メガバンク)では、審査に際して必ず面談のプロセスをはさみます。
面談プロセスのないネット銀行と比較して煩雑かも知れませんが、実績のない新しい会社として門前払いされてしまう可能性のあるネット銀行と比較して、面談で申し開きの機会がある都市銀行の方が、口座開設のチャンスが大きいです。
手数料は高いので、普段使いには向かないかもしれませんが、ネット銀行での審査が通らなかった時の保険として口座開設の準備をしておくのもよいでしょう。
三菱UFJ銀行

給与振り込みや海外送金サービス等、銀行に求められるサービスは一通りそろえられていますが、追加利用料等は結構かかります。
口座開設をする最寄り支店次第では、インターネットと書類の郵送で申し込みが完結するようです。
三井住友銀行

「パソコンバンクWeb21<ライト>」は、1日あたり300万円までの振込となる点や先日付の振込ができない等の制約はあるが、かなり手数料がオトク。なんとメガバンクの中で唯一月額基本料が無料。
同行内振込も無料!
同行のベンチャービジネスへのサポート姿勢がうかがえます。
みずほ銀行

メガバンクの中では比較的手数料が高くなっています。
料金体系については、旧みずほコーポレート銀行と旧みずほ銀行で異なるような書きぶりとなっていますが、新規口座の開設同意事項を読んでいくと、基本的には料金が高い旧みずほ銀行の料金体系が適用されることがわかります(月額基本料金が1,100円異なる)。
ゆうちょ銀行での法人口座開設

別途契約料金として、初回に5,500円かかりますが、2022年3月31日まで契約料金・月額料金が無料になります。
少し前までは、他の金融機関と異なり金融庁の監督下にないこともあり、審査が緩いことで有名でしたが、近年では他の金融機関並みに審査が厳しくなっているようです。
ネット銀行での法人口座開設
インターネットや書類の郵送で手続きが完結し、気軽に口座開設申し込みができるネット銀行。
手数料も、都市銀行等と比べてかなり安く設定されているため、普段使い用の口座としてなんとしても口座を持っておきたいところです。
ただし、マネーロンダリング対策等で審査は厳しくなっているため、いくつかの銀行に申し込んでおくのがいいでしょう。
新生銀行

新生銀行自体はネット銀行というわけではないですが、ネット銀行のネットバンキングに近く、オプションの豊富さでは都市銀行に劣るようですが、最低限のサービス利用料は抑えられています。
法人口座の月額基本料金は無料です。しかも同行内振込も無料。
ジャパンネット銀行

ネット銀行ならでは、振込手数料等が他行比較で安くなっています。
審査は厳しいですが、法人名義のVISAデビットカードの利用もでき、インターネット決済に伴う経理処理は格段に楽になります。
VISAデビットカードの利用で1,000円のキャッシュバックもやっているようです。
こちらも法人口座の月額基本料金は無料です。
楽天銀行

ネット銀行ならでは、振込手数料等が他行比較で安くなっています。
楽天銀行ではJCBデビットカードでの利用料金1%キャッシュバックされるようですが、JCBデビットカードの年会費が1,100円かかるようなので、元を取るのは少し大変かもしれません。
口座維持や通常のキャッシュカードについては、こちらも月額基本料金は無料です。
住信SBIネット銀行

ネット銀行ならでは、振込手数料が他行比較で安くなっています。
住信SBIネット銀行では、振込優待プログラムが設定されており、各条件を満たすごとに振込手数料が付き10回無料になるサービスが継続されています。
【条件A】被振込の件数合計が月10件以上
【条件B】デビットカード(Mastercard/Visa)の利用金額が月10万円以上
※細かな適用条件は同行HPでご確認ください
こちらも法人口座の月額基本料金は無料です。
GMOあおぞらネット銀行

同行内振込手数料無料なので、個人口座等よく使う口座が当行にあれば非常に便利です。
当然ネット銀行ならでは、振込手数料が他行比較で安くなっています。
VISAデビットカード利用での1%キャッシュバックがあります。こちらのデビットカードは楽天銀行のJCBデビットカードとは異なり、年会費無料。
こちらも法人口座の月額基本料金は無料です。

最初に口座開設をしてくれたGMOあおぞら銀行さん、個人口座も開設してしまい、手数料やキャッシュバック条件も結局のところ最もオトクに感じられたので、普段使いしています!

まとめ
スピーディーに銀行の法人口座を作ろうと思ったら、法人設立届出書の受付印を税務署でもらい次第、すぐに片っ端から銀行法人口座の開設申し込みを行いましょう!
なぜなら審査は年々厳しくなっており、2週間程度待たされた挙句、審査に落とされることがしばしばあるため、待機時間のロスを無くすようにするためです。
口座開設申請書類は概ね重複しますので、複数の銀行への申請はそれ程負担ではない上に、特にネット銀行であれば面談等で時間を取られることも一切ないため、開業期の忙しい時期に本業外のことで時間を取られずに済みます。

願わくば、法人口座がスムーズに開設でき、皆さんの事業が順調に動き出すことを願っております♪
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